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ジョージ・ケナン 『アメリカ外交50年』 (岩波現代文庫)

著者は第二次世界大戦後、対ソ封じ込め政策の立案にあたった著名な外交官だが、高校世界史では名前の出る人ではなく、高坂氏の『国際政治』ではじめて知る。

(7月8日追記 最近の教科書では載ってるものもあるようです。私が高校生だった十年以上前の教科書ではケナンもキッシンジャーも影も形も無かったのだが。)

そこで浪人中たまたま書店で見かけた本書を買ったのだが、大当たり。

米西戦争から第二次世界大戦までのアメリカ外交を概観した前半部分は高校生でも読める平易な記述ながら、極めて示唆に富む。

門戸開放政策など当時の国際関係の現実から乖離した理想主義が米国の国益を損ない、日米対立を深刻化させたと批判する。

その他第一次世界大戦で米国が取るべきであった態度など興味深くかつ説得的。

封じ込め政策の理論的基礎となった有名な「X論文」を含む、後半の外交論文はやや読みにくいが、これも有益。

国際政治学、国際関係論でも初学者必読の文献だが、普通の世界史好きの読者がアメリカ史入門書として読む上でも最高の本だと思う。

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