« ゴーロ・マン 『近代ドイツ史 1・2』 (みすず書房) | トップページ | 猪木正道、佐瀬昌盛 『現代の世界 (世界の歴史25)』 (講談社) »

岡崎久彦 『隣の国で考えたこと』 (中公文庫)

著者が70年代末期、在韓大使館駐在後に書いた韓国入門書。

冒頭の日韓関係の概論を読んで、「あの岡崎久彦が“自虐史観”を説いている!!」と驚くかもしれない。

といっても本書での著者の立場は「日清・日露の戦いは必然だったが、その後当時としてはいかに非常識な選択であっても韓国の独立を保全する政策を取ったほうが、極めて長期的な視野に立てば、韓国のみならず日本にとっても良かったのではないか」というもの。

半ば惰性の妄想じみた「反日」と身もふたも無い「嫌韓」が衝突する今日、朴政権から80年代中盤までの日韓の保守派同士の連携を「癒着」と片付けていいものかと思う。

日本側は少なくとも植民地統治の全面肯定はしなかったし、韓国側も「北」とその背後の共産国という共通の脅威に備えるため現在より真摯に日本と向き合っていたと思う。

それはともかくとして・・・・・。

日韓関係の概論から始まり、言語・民族と近似性、新羅・高麗・李朝史の簡略なおさらいに至る非常にオーソドックスでわかりやすい入門書。

全くの素人が韓国史を知るには、普通の通史的書物を読むより、こちらを先にした方が良いかも。

随所に現れる著者自身の歴史に対する姿勢や考えも興味深い。

残念ながらこれも新刊書店では手に入れることができない。

本書も含め昔の中公文庫のラインナップは世界史好きにはため息の出る素晴らしさ。

これからも品切の中公文庫を紹介することがかなりあると思うが、何とか少しでも復刊してもらえないでしょうか。

|

« ゴーロ・マン 『近代ドイツ史 1・2』 (みすず書房) | トップページ | 猪木正道、佐瀬昌盛 『現代の世界 (世界の歴史25)』 (講談社) »

朝鮮」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。