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宮崎市定 『中国のめざめ (中国文明の歴史11)』 (中公文庫)

宮崎氏には珍しい近代史の著作。辛亥革命から国民党の北伐完成まで。

ご本人の全集の後書きで「自分は中国史の独自性に興味があるのであって、それが失われていく近代史は一番不得手である」と述べられていたが、これはよくまとまった概説になっている。

この時代の辺りから「史観」が政治的に喧しく議論されることになるが、戦前文部省から日本至上主義のアジア史を書くように依頼されたのを断り(それで出来たのが『アジア史概説』の元)、戦後はマルクス主義的唯物史観全盛の風潮に組せず、その後岩波書店から出てる全集の後書きで堂々と大東亜戦争(半)肯定論書いちゃう御大のことだから、時流に迎合していい加減なことを書くはずも無く、安心して読める。

この本で宮崎氏の一般向け概説はほぼ打ち止め(他にいくつかテーマ史的著作はあるが)。残念至極である。

現在中公文庫で旧版『日本の歴史』の再刊行をしているが、そのあと旧版『世界の歴史』を続けて出すのだろうか。

宮崎氏編の第6巻『宋と元』を再度手に入れたいので、是非復刊お願いします。

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