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タキトゥス 『年代記 上・下』 (岩波文庫)

これは初学者にとってはかなりハードルが高い。例によって塩野ローマ史の『悪名高き皇帝たち』の巻か、秀村欣二『ネロ』で「予習」する必要があるかもしれない。

アウグストゥスの死からネロの破滅までの帝政初期を叙述対象にした歴史書。

とりあえず、巻末のカエサル家系図をしっかりと何度も見ながら、皇帝家の人物関係だけは見逃さないように、一歩一歩読み進む必要がある。

それ以外の主要人物も視野に入れ、把握しようとすると、系図を見ても時々辻褄の合わない部分が出てきて首をかしげる。

そのためダイアナ・バウダー編『古代ローマ人名事典』(原書房 定価12,600円!!)なんてものまで持ち出し、系図を補強してやっと得心が行くといったこともあった。

「そんな厄介なもの勧めるなよ」と言われそうだが、それでも機会があれば是非読んで頂きたいと思う。

初期帝政の「暴君」と元老院議員たちが繰り広げる壮大な悲劇の様相をこれ以上無いほどの迫真の叙述で描いている。

古代ローマ最高の歴史家と言われるタキトゥスの怜悧で端正な文体に、翻訳を通じてでも触れる価値は十分にある。

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