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呉善花 『韓国併合への道』 (文春新書)

著者は韓国出身で保守系論壇誌で祖国批判をよく書いていた人。(最近日本国籍を取得されたそうだから、「元祖国」と言うべきか。あるいは「日韓共に祖国」というスタンスなのか。)

もうそれだけでアレルギー起こす人がいるかもしれないが、本書に関して特に「日本に媚びてる」といった面は見られなかった。

著者の主張は「李朝支配下の朝鮮はさまざまな面で近代化の立ち遅れがあったが、もし甲申事変が成功していれば、ロシアの脅威に備えて英米など列強が中立化を保障しただろう。また日本の当時の国力を考えれば、朝鮮が援助を求めても日本の支配下に置かれる懸念は無く、日朝は長期的に安定した協力関係に入ることができたはずだ。」というもの。

とにかくこの辺は、「侵略」への糾弾一色の本か、それへのエキセントリックな反論本が多く、本書のように穏当な歴史解釈で、しかも初心者が読んで面白いものは少ない。

時代順に主要史実はもれなく押さえられているし、文章もよく練られている。初心者が知識の整理をするのに便利。貴重な入門書として推薦します。

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