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アレクシス・トクヴィル 『フランス二月革命の日々 トクヴィル回想録』 (岩波文庫)

保守的自由主義の思想家トクヴィルによる1848年革命に関する回顧録。

『旧体制と革命』『アメリカにおける民主主義』の二大主著があるが、これらは素人には基本的には読めない(と思う)。

本書は具体的な事件の叙述でまだしも読みやすい。

著者は革命にはあくまで反対であるが、七月王政崩壊後は穏健共和政を維持することが自由を守るための最善の道であるから、ジャコバン派、社会主義者、ボナパルティスト、反動的王党派に対抗する立場を取る。

同時代の信頼できる観察者の生き生きとした記述で読ませる。

ルイ・フィリップ、ギゾー、ラマルティーヌ、ブランキ、ルイ・ナポレオンらの肖像が非常に興味深い。

ただティエールが徹頭徹尾愚劣で凡庸な人物として描写されていることに驚く。

中盤の六月暴動の描写は迫力満点で、本書のクライマックスか。

急進的社会変革と大衆暴力が何をもたらすかを知ってしまった現代の目から見ると、この「反革命」の目覚しい勝利に心底ほっとしてしまう。

やや専門的だが、初心者でも読む価値有り。

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