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ジョン・マクマリー 『平和はいかに失われたか』 (原書房)

ジョージ・ケナン『アメリカ外交50年』の極東関係の章で引用されていた、戦前アメリカの現実主義的外交官の覚書に編者のウォルドロン教授の長文の解説を付したもの。

ワシントン体制を崩壊に導いたのは日本というより、既存条約の性急な否認と破壊を繰り返した中国の革命外交とそれに迎合したアメリカ政府であり、満州事変はその帰結であったと主張している。

この視点に立てば、幣原外交と田中外交の評価も大きく変わる可能性がある。

必ずしも著者の主張に納得しなくても、じっくり通読すれば、戦前の東アジア情勢について重要な一面を知ることができる。

なお本書と同じような問題意識に貫かれた本として、クリストファー・ソーン著『満州事変とは何だったのか 上・下』(草思社)があるが、関係国の外交文書や外交官の覚書、回顧録を駆使した詳細なものであり、自分は上巻の三分の二くらいで挫折してしまった。興味のある方はどうぞ。

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