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小竹文夫、草野文男 『現代中国革命史』 (弘文堂)

これは相当入手しにくいと思う。非常に古い本だし、図書館でも置いていないところが多いだろう。

だが機会があれば是非読んで頂きたいと思います。

衛藤瀋吉氏の著作集(先日紹介したのとは別の巻に収録)の「中共研究ノート」(すみません、微妙にタイトルが違うかもしれません)で本書の存在を知る。

昭和33年(1958年)刊で、この年代の本にしては珍しく中共に批判的な中国現代史。

冒頭のアヘン戦争と太平天国の叙述からして、太平軍より、それを鎮圧した曽国藩ら漢人勢力を評価しているように、各時代において最も急進主義的な勢力が正しいという、凡庸な史書にありがちなドグマに縛られていない。(近代中国において、太平天国より洋務運動に真の近代性を認めるのは宮崎市定氏と同じく。)

その後もバランスの取れた歴史評価と史実の選択で安心して読める本に仕上がっている。

これに類する穏当な本が一定期間消え去ってしまったのは、やはりある種の歪みがあったと見做さざるを得ないだろう。

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