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貝塚茂樹 責任編集 『世界の歴史 1 古代文明の発見』 (中公文庫)

いわゆる中公旧版の世界史全集第1巻。

白状すると各社各種の「世界の歴史」で全巻通読したのはこのシリーズだけである。

刊行年代は1960年代初期という古さだが、中身は他のシリーズに勝るとも劣らない。

まず初心者が物語として読んで面白いという点を何より重視して、最後までそれに徹しているのが素晴らしい。

図式的で平板な記述はできるだけ避け、豊富な挿話やエピソードを交え、魅力的な人物描写に力を注ぎ、時に学界の内輪話で息継ぎをするという感じ。

著者の努力はもちろんだが、本シリーズについては中公側の編集者がよほど優秀だったのだなと思う。

以上の方針を徹底させるため、著者にビシバシ意見したであろうことは容易に推察できる。

最初の巻である本書においても、貝塚氏ら著者のサービス精神がよく発揮され、北京原人から始まり、いわゆる四大文明の盛衰を描いた、面白い通史に仕上がっている。

後漢以後とオリエント末期がやや駆け足なのは残念だが、入門書としては十分の出来。

以後の巻を記していくにつれて、かなり腐すこともあるかと思いますが、初学者向けの本として基本的には非常に優れた面があることを認めた上の批判であることをご考慮ください。

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