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宮崎市定 責任編集 『世界の歴史 6 宋と元』 (中公文庫)

ついに来ました、宮崎御大の編集の巻。

弟子の佐伯富氏との共著で御大執筆の章は全体の半分くらい。

佐伯氏の文章が悪いわけではないが、できれば御大の単独執筆にして貰いたかったものである。

ですが最初の方の章で御大がいきなりカマしてくれます。

ちかごろ、「起義」という言葉がはやる。専制政治の下で起こった反乱はすべて反乱軍の側に正義があるので、反乱はすなわち正義のためにたち上がった壮挙であるという見方である。

従来の歴史はもっぱら為政者側の記録をもとにして編集されているから、当時の政権に反抗する運動は、事の是非を問わず一律に反乱、すなわち不当行為として扱われてきた傾向があり、この点は考えなおす必要があろう。

さりながら、従来の記録はすべて政府側におもねったもので、反乱軍の行動に関する好ましくない記述はみなでたらめだということにしたらば、これは新しい史観の行き過ぎというものであろう。

極めてオーソドックスでありながらわかりやすい史実の叙述、その整理に役立つ評言、豊富で面白い挿話、印象深い人物描写が全編高水準で続く。

最高。言うこと無し。

本シリーズでの最も出来が良い巻であるのみならず、どの概説書と比べても劣ることのない内容を持っている。

他の巻は読まずとも、この巻だけは買ってください。

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