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H・マウ H・クラウスニック 共著 『ナチスの時代』 (岩波新書)

かなり古い本。初版は確か1961年。

当時西ドイツの学者二人が書いた第三帝国史の簡略な概説だが、今読んでも真っ当な記述で参考になる。

しかし本文に不釣合いなほど長い訳者による註が頂けない。

第二次大戦末期のソ連軍侵入の際の暴行を記したところでは、「この部分は恐ろしく反ソ的で、西独の反共感情を反映してかなりの誇張があると思われる」と書いたり、「最近西ドイツで顕著になっている旧ナチ分子の復活」とか現在読んでいると頭痛がしてくる文章が満載。

「邪魔なようならとばして読んでください」と訳者自身書いているが、むしろ最初から書かないほうがよかったんじゃあ・・・・・。

のちに「過去の克服」の見本として左派的立場の人々から美化された西ドイツが、この時点では軽侮と敵意の対象だったんだなあということがよくわかり、60年代初頭という時代を感じさせます。

まあ楽に読めるし、暇があればお読みください。

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