« 2007年3月 | トップページ | 2007年5月 »

福田和也 『奇妙な廃墟』 (ちくま学芸文庫)

『人種不平等論』の著者アルチュール・ド・ゴビノー、ドレフュス有罪論を強く主張したモーリス・バレス、極右王党派団体アクシオン・フランセーズの指導者シャルル・モーラス、1940年の敗北後対独協力の道を選んだピエール・ドリュ・ラ・ロシェル、ロベール・ブラジヤックなど、現代のフランスで蛇蝎の如く嫌悪されている文学者の列伝風著作。

私は文学史には興味が無いしわからないのだが、裏面から見た第三共和政史として読んだ。

未だ通読はできていないのだが、飛ばし読みした限りでは非常に面白い。

大型書店か図書館で一度ご覧下さい。

| | コメント (0)

ウィリアム・マクニール 『世界史』 (中央公論新社)

一冊の本で全世界史を物語ることは可能だろうか。

毒にも薬にもならない平板な教科書的記述ではなく、一人の著者によって書かれその人独自の史観が感じられ一貫した読物となっている一冊の世界史というのは有り得るか。

この問いに肯定的に答えるのは難しい。

今まで紹介した本の中では、宮崎市定氏の『アジア史概説』(中公文庫)および『アジア史論』(中公クラシックス)が最も近いかもしれない。

本書は以上の宮崎氏の著書と並んで、その稀な例外となっている、アメリカ歴史学界の長老が書いた世界史概説。

人類史における諸文明の興亡の明快かつ的確な見取り図を提示してくれる。

例示される史実とその説明は、無味乾燥な簡略さと晦渋な煩雑さの双方を避け深く説得的なものとなっている。

読後感は予想よりはるかに良かった。

定価3990円と結構値が張りますが、品切れにならないうちに買って手元に置いておくのが宜しいかと。

| | コメント (0)

マルクス エンゲルス 『共産党宣言』 (岩波文庫)

有名な史料の一つとしてこれは読んでおいてもいいんじゃないでしょうか。

エンゲルスの『空想より科学へ』を加えてもいいですけど。

高校の時の私みたいに、これ読んで左派的考えを持つなんて阿呆な人間はもういないでしょうから。

大学に入ってレーニンの『国家と革命』を読んだときは「ああ狂信って怖いな」と思っただけでしたが。

無理に読む必要は全然無いですが、機会があればどうぞ。

| | コメント (0)

岩間徹 『ヨーロッパの栄光 (世界の歴史16)』 (河出文庫)

中公旧版「世界の歴史」15巻『ファシズムと第二次大戦』で、岩間氏が執筆したスターリン時代のソ連史の叙述に感銘を受けたので購入。

19世紀ヨーロッパ史ですが、感想は「普通」ですね。

期待が大きすぎたのか、あまり面白いとは感じませんでした。

この時代の概説としては標準的で、そんなに悪い本ではないと思いますが。

| | コメント (0)

塩野七生 『男の肖像』 (文春文庫)

古今東西の政治家を中心とした男たちに関するごく短いエッセイ集。

暇なとき気軽に読めて結構面白い。

特にオクタヴィアヌスの右腕だったアグリッパの項は秀逸。

この人のエッセイではかなり好きな部類に入る本である。

| | コメント (0)

モンテスキュー 『ローマ人盛衰原因論』 (岩波文庫)

古典的著作にしては読みやすい本です。

私でも楽に読み通せました。

しかしこれはローマ史の本というより、啓蒙思想家の典型的政治思想を知るための本ですね。

ローマ共和政の理想化と帝政をその堕落形態を捉える見方は鵜呑みにしないほうがいいかもしれません。

読めばそれなりに役に立つところもあるでしょうが、素人世界史愛好家にとっては必読とまでは言えないと思います。

| | コメント (0)

神谷不二 『戦後史の中の日米関係』 (新潮社)

非常に読みやすく面白い戦後日米関係の概説書。

素人が盲点になっているようなポイントを整理し、わかりやすく解説してくれている。

あまりよく知られていないが、隠れた名著と言えるのではないだろうか。

| | コメント (0)

フランソワ・フュレ 『フランス革命を考える』 (岩波書店)

例によって例のごとく、良書と思い買ったものの一行も読まずに古書店行きとなった本です。

著者はフランス本国で革命への修正主義的見解をとる学者の中心人物らしいです。

ほんの少しパラパラと目を通しただけなんで、何も言えません。

読んだ上の推薦ではないですが、自分もいつかは読もうと思ってるんで皆さんも如何でしょうかとは言っておきます。

いつもながらいい加減ですみません。

| | コメント (0)

サミュエル・ハンチントン 『文明の衝突』 (集英社)

冷戦終結後世に出た国際関係理論の中で一番物議を醸した本でしょうか。

世俗的イデオロギーに替わって、宗教を中核としたいくつかの文明圏に世界が分かれて抗争と妥協が行われると主張。

中国とイスラム急進派の連合(儒教・イスラムコネクション)がアメリカを中心とした西欧文明にとって大いなる危険となり得ると予測。

しかし2001年の9・11テロ勃発当初は本書の見方についてあれこれ騒がれたものの、現実がはるか先に(悪い方に)進んでしまった感があり、今では言及されることが滅多に無くなりましたね。

私も買った当初は頻繁に本書のページを手繰っていたが、しばらく経つと書棚の隅に置きっぱなしという状態。

今特に買う必要はないと思います。全く未読で興味のある方だけ図書館で借りてください。

| | コメント (0)

賀来弓月 『インド現代史』 (中公新書)

著者はインド駐在経験のある日本外交官。名前は仮名だったような気がする(すみません、定かじゃありません)。

読んだ覚えはあるんですが、内容は全く覚えてない(またか)。

アマゾンのレビューを読むと、興味深い本ではあるが内容が詳細すぎて初心者向けではないといったことが書かれている。

おそらく私の頭では咀嚼できない内容だったので記憶に残ってないんでしょう。

よって今日もタイトルを紹介することしかできません。どうもすみません。

| | コメント (0)

平泉澄 『物語日本史 上・中・下』 (講談社学術文庫)

戦前皇国史観の主唱者だった平泉澄が戦後に書いた青少年向け日本史の文庫化。

当然全編そのような史観で書かれており、特に神代から始まる古代史の部分は紙数も多く費やされ充実している。

それだけでアレルギーを感じる人も多いだろうが、戦後的価値観に取り囲まれて来たせいか、個人的には反って新鮮に感じてしまう。

小中高と一応日本史を習ったが、あまり頭に入っておらずもう一度ざっと復習したいというときに読む本としては、これも候補になるでしょう。

明治維新以後は簡略であり、正確には「近代日本」カテゴリーにも入らないのだが、一読して実に面白いと思ったのであえて載せます。

足利氏は単なる逆賊、南北朝合同後の室町時代には語るべきことは何も無いといって実際大幅に記述を端折ってるのを読むと、さすがに何だかなあと思うが、そういう偏りを差し引いても読む価値はあると思います。

| | コメント (0)

河部利夫 『東南アジア (世界の歴史18)』 (河出文庫)

中公旧版「世界の歴史」を通読した後、それに全く抜け落ちていた東南アジア史を補強するつもりで、手軽に入手できる河出文庫版「世界の歴史」の中の一巻である本書を買った。

しかしあっさりと挫折する。

どうにも読みにくくてしょうがない。

その後講談社旧版「世界の歴史」の永積昭『アジアの多島海』(実はこれも通読はしてないんですが)の末尾の参考文献欄で本書について「新たに日本人独自の視点からの通史を書こうという著者の意欲は評価するが、斬新過ぎて初学者は戸惑うのではないか」という意味のことが書かれていて、「ああやっぱり」と思った。

結論。東南アジア通史を読もうという場合、無理に本書を選ぶ必要は無いです。

他社の世界史シリーズの該当巻を読んだ方がいいでしょう。

| | コメント (0)

立間祥介 『諸葛孔明』 (岩波新書)

三国志関係で山ほどある啓蒙書の中では、しっかりした内容を持つ本だと思う。

この種の関連本は読み出したらキリが無いし、あくまで世界史の中の中国史の一分野として受け止めて、深入りは避けましょう。

とは言え面白そうな作品も多いんですけどね。

私自身も、福田和也『作家の値うち』(飛鳥新社)の中で、北方謙三の『三国志』(角川春樹事務所)が、日本人の書いた三国志のうちで最も原典のニュアンスを伝えている出色の出来と書かれているのをみて、読もうかなと以前から迷っているところです。

| | コメント (0)

トマス・モア 『ユートピア』 (岩波文庫)

これも「教科書に出ているような古典にとりあえず目を通しておこう」ということだけで読んだ本ですね。

さほど難しい本じゃないですので楽に読めます。

そんな面白くもないですが。

私は単に「目を通した」というだけなので、本書からどんなものを読み取ったかと聞かれても困ってしまう。

興味のある方だけどうぞ。

| | コメント (0)

クレメンス・メッテルニヒ 『メッテルニヒの回想録』 (恒文社)

すみません、これも買っただけです。

ウィーン会議の立役者である政治家の回顧録。

ナポレオンやアレクサンドル1世に関する記述は他の歴史書にもよく引用されている模様。

全く読めないほど詳細・晦渋ではないのだが、再挑戦する前に手放してしまった。

高坂正堯氏の『古典外交の成熟と崩壊』を読むと、この人は実に魅力的に見える人物なので、機会があれば買いなおして通読したい。

| | コメント (0)

増田義郎 『物語ラテン・アメリカの歴史』 (中公新書)

「ラテン・アメリカ」のカテゴリで一般的通史が単著でゼロというのはいくらなんでも恥ずかしいなと思い本書を読む。

内容はまあまあ面白いが、やはり簡略すぎる。

そもそも独立運動がはじまるまでで三分の二の紙数を使ってしまっている。

ただポイントはよく突かれており、説明はわかりやすく、教科書の次に読むレベルの通史として十分使える。

短いながらもコルテス、ピサロ、シモン・ボリバル、サン・マルティンなどの人物描写は印象的であり、一貫した物語としてきちんと成り立っている。

これで独立後(特に二十世紀以後)が大幅に補強されていれば一層良かったのだろうが、そもそもこれだけ広範囲の分野について新書一冊読んで済まそうとするこちらの了見が間違っているのだろう。

講談社旧版か中公新版の「世界の歴史」のラテン・アメリカの巻にでも取り組むべきなんでしょうが、どうもやる気出ないんですよねえ。

| | コメント (0)

ジェンティーレ 『イタリア現代史』 (世界思想社)

第二次世界大戦後のイタリア政治史。

それ自体類書が少なく貴重だが、本書は保守的イタリア人著者が、小党分立による政治の不安定となし崩しの左傾化を慨嘆するという視点がユニークなので買った。

何とか読み通しましたが、基礎知識の無い人間には相当苦しい。

やはりこういうマイナーなテーマでは、日本人著者が噛み砕いてわかりやすく書いた入門書が欲しいですね。

| | コメント (0)

寒山碧 『鄧小平伝』 (中公新書)

1980年代半ばに香港で出た伝記の抄訳。

人民共和国建国後の中国を何とか現実主義路線に乗せようと毛沢東・林彪・江青と対立した鄧を好意的に描く反面、改革開放政策実施後も共産党統治体制を否定するような自由化は断固として拒否したことも明記している。

抄訳のため記述は簡略。だが普通の日本人読者にとってはこの程度の方がいいでしょう。

特に欠点も無く、手堅い良書。

中国現代史のサブテキストとして有益です。

| | コメント (0)

平川祐弘 『平和の海と戦いの海』 (講談社学術文庫)

鈴木貫太郎首相とグルー駐日アメリカ大使を中心とした終戦工作と昭和天皇の「人間宣言」についてのノンフィクション作品。

極めて高雅で品格のある文章と端正で明確な史実の描写が深い感動を与える名著。

特に詳しい予備知識は要りませんので、気軽に手にとってみてください。

| | コメント (0)

プラトン 『ソクラテスの弁明・クリトン』 (岩波文庫)

西洋思想史の第一ページにある本であり、短いので比較的楽に読める。

本来ならこれを読んだ後、教科書に出てくるような本を次々読破していくべきだったんだろうが、抽象的思考力ゼロの私はあと4、5点の作品を時代もバラバラで読むのが精一杯だった。

本書は読みやすいし、毛嫌いせずに一度手にとってみるのもよいでしょう。

| | コメント (0)

金学俊 『北朝鮮五十年史』 (朝日新聞社)

史上最悪の全体主義国家であり、他の共産主義国に比べてもその異常性が際立っている北朝鮮の歴史概説。

1997年刊。記述は詳細でオーソドックスな通史であり、初心者にも有益。

この国が朝鮮「民主主義」「人民」「共和国」を名乗っているのは必ずしも背理ではない。

以上のカッコの中のような価値観を極限まで追求した結果生まれた最も無残な成れの果てが北朝鮮であり、それが1789年以後の人類が味わった極めて苦い逆説なのだろう。

| | コメント (0)

ローマックス 『レコンキスタ』 (刀水書房)

これは最後まで読んだことは間違いないのだが、中身はさっぱり思い出せないという、私にはよくあるパターン。

類書が少ない中世スペイン史なので貴重だとは思うが、初学者には詳しすぎる。

高校教科書レベルの知識しかない私のような人間が読むものではなかった。

最低限、先日絶賛した茨木晃『スペイン史概説』程度の本を事前に読んでおくべき。

内容はほとんど覚えていないのだが、末尾でレコンキスタ終了後のスペイン・ポルトガルによる新大陸征服に触れ、征服によるキリスト教化のおかげで中南米はその後の宗教戦争や覇権戦争に巻き込まれることを免れたと断言しているのは少々驚いた。

訳者も解説で「末尾の政治的見解には反発を感じる向きもあろうが、ひとつの意見として受け止めてもらいたい」というようなことを書いてフォローしていた。

私自身はこういう現代のポリティカル・コレクトネスに真っ向から逆らう言論は大好きなので全然気にならなかったが。

| | コメント (0)

『石橋湛山評論集』 (岩波文庫)

大学時代これを読んだとき、戦後保守党に属し総理大臣にまでなった人で、これほど徹底した進歩的自由主義を貫いた人がいたのかと感動したのを覚えている。

だが、その後かなり経つと戦前の日本で本当に「小日本主義」という選択肢が現実にあったのかと懐疑的になったのも事実である。

興味深い本であることは間違いないと思いますので、機会があればどうぞ。

| | コメント (0)

リデル・ハート 『第二次世界大戦 上・下』 (中央公論新社)

先の大戦の戦史については深入りしだすと本当にきりが無いのだが、本書は有名な戦略理論家、戦史家の著作であり、信頼できるだろうと思い購入。

しかし結局これも買っただけ。

お恥ずかしい・・・・・・。

相当の分量ですが、内容はしっかりしてると思います。

根気のある方は同じ著者の『第一次世界大戦』と共に挑戦してみてください。

| | コメント (0)

クリストファー・ソーン 『太平洋戦争とは何だったのか』 (草思社)

「連合国の正義」にも「日本の正義」にも組せず、双方の悪しき行為を直視した公平な立場から書かれた太平洋戦争論(らしい)。

はじめて翻訳された際かなり話題になり、高坂正堯氏や栗本慎一郎氏も推薦していた。

最近同じ版元から普及版も出た。

私は買いはしたものの結局読めず。

どうも読みにくかった。

いい本だとは思うんですけどね。

| | コメント (0)

会田雄次 責任編集 『世界の名著 マキャヴェリ』 (中央公論社)

大学の政治思想史か何かの講義のテキストとして購入。

半ば意地になって無理やり読み終えた。

内容は有名な『君主論』と全然有名じゃない『ローマ史論』(本書の邦題は『政略論』)のセット。

『君主論』は当時のイタリアの都市国家の細々とした分裂状況に即した政論であり、初心者がこれで何か具体的な史実を憶えるということはほぼ不可能。

『ローマ史論』の方は、古代の歴史家リヴィウスの『ローマ建国史』の記述を元にあーだこーだと政治・軍事論を述べる作品なのだが、そもそも初心者には全く馴染みの無い、初期共和政の細かな史実を次々に例にしているのだから難渋で到底楽しく読めるものではない。

結論。教科書に載っている有名な古典として『君主論』に目を通したい人は岩波か中公の文庫を読めばいい。本書は初心者が無理して読む必要無し。

ちなみにこれをテキストにした講義はろくに出席しなかったので、単位を落としました。

| | コメント (0)

ソルジェニーツィン 『イワン・デニーソヴィチの一日』 (新潮文庫)

スターリン時代の強制収容所での一日を克明に記した小説。

と言っても目をそむける様な残虐な描写があるわけではない。

むしろ極めて過酷な状況の中でも、希望を捨てず楽しみを見出し生き抜いていく人間の強さを描いている。

例えば本来劣悪そのもののはずの三度の食事の描写の旨そうなこと。

単調な重労働の毎日を必死で潜り抜けていく主人公の強固な意志に強い印象を受けた。

スターリン死後わずか数年にしてこのような小説が書かれたことに驚嘆する。

ご一読を強くお勧めします。

| | コメント (0)

ピエール・ガクソット 『フランス人の歴史 全3巻』 (みすず書房)

久々に本格的なものをご紹介できます。

これは相当読み応えありました。

王党派的信条を持った歴史家ガクソットによる太古から第五共和政成立までのフランス通史。

大学図書館で偶然手にして以来、そのユニークで卓抜した史書としての存在を知っており、読もうと思っていたのを最近ようやく通読する機会があった。

だが、いきなり序文で「まったく、多くのすばらしいフランス史が、いかにしてフランスができたかを知ろうとする大衆のもとめに応じて書かれてきたが、それらは結局のところ領土の歴史、国家の歴史でしかない。」と(私にとっては)不吉な一文が。

その文章の通り、全巻通じて社会史、文化史、経済史の記述は多い。

その手の叙述の中で、馴染みの薄い人名、地名がズラッと並べられている箇所も少なくない。

しかしそれらもごく自然に読み通すことができる。フランスの各時代の特色を示す事例として心に留め置くことに何の困難も感じない。

私のように政治史しかわからない偏った人間でもそう思えるのだから、普通の人にとっては非常な名著と言えるのではないだろうか。

フランスへの深い愛情を込めて、自国の統一と発展を称えつつ矯激な言葉遣いは避ける品位ある文体。

通常マイナスイメージで捉えられがちな事象についても、当時の人々の心情とその時実際に存在した他の可能性を深く吟味した上で慎重な評価を与えている。

著者が示す知性と叡智がそれを低次元の自国正当化などとは決して感じさせない。

訳者あとがきによると、ガクソットは本書において党派的感情に囚われることを極力避け、自己の信条を前面に押し出さないよう自制したがゆえにフランスでも高い評価を得たそうだが、それでも大革命以降の章を読むと著者の健全な懐疑精神は十二分に伝わってくる。

素晴らしい。読み通すと何とも言えない清々しさを覚える。歴史叙述という文芸ジャンルにおける傑作と言える。

アンドレ・モロワ『フランス史 上・下』(新潮文庫)と並んで、初学者が何度でも立ち返るべき基礎テキストとして是非とも手元に置いておくべき本。

こういう翻訳書を出しているみすず書房は何だかんだ言ってやはり偉い。

だが、本書が品切れで入手困難なのは残念と言うほか無い。

昭和25年に読売新聞社から出たという同著者の『フランス革命』と共に復刊してもらえないだろうか。

| | コメント (0)

井波律子 『三国志演義』 (岩波新書)

明代に成立した『三国志演義』に先立つ、三国時代関係の民間伝承や歴史物語を参照しながら、『演義』の成り立ちを探る本。

結構面白いです。

とりあえず買っておいて、暇なときページを手繰るだけでもいいと思います。

| | コメント (0)

ブノワ・メシャン 『クレオパトラ 消え失せし夢』 (みすず書房)

みすず書房の本にしては高級感が無い。

安っぽくて平俗な歴史小説みたいな文章。

楽に読めたが、あまり気に入らなかった。

特には薦めません。

| | コメント (0)

« 2007年3月 | トップページ | 2007年5月 »