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塚本哲也 『エリザベート ハプスブルク家最後の皇女』 (文芸春秋)

著者は刊行当時確か防衛大学の先生だったはず。

表題の主人公の人生を軸に、第一次大戦から1955年の中立化あたりまでのオーストリア史を精彩に富んだ筆致で描いている。

第一次大戦後、民族紛争と独ソ両大国の支配と左右の全体主義の脅威に脅かされてきた中欧・東欧・バルカン半島の歴史を鑑み、緩やかな統治体制の下で多民族の平和的共存を実現していたハプスブルク帝国を再評価する視点から叙述されている。

それは大いに結構なんですが、著者の親オーストリア感情の裏返しからか、所々反プロイセン的偏見と思えるような記述が散見され、初読の際、個人的にはそれが気になってしょうがなかった。

私がそういう点で特に神経質なのは自覚してますので、他の人から見たら全然気にするようなことではないかもしれません。

非常に良質な歴史物語と言っていいんじゃないでしょうか。

今は文庫版も出ているようですから、私もそれを買って再読してみようかなと思います。

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