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寺田隆信 『永楽帝』 (中公文庫)

極めて標準的で読みやすい入門書。

明帝国の建国から、帝位簒奪、モンゴル親征、鄭和の南海遠征、ティムールとの対立、足利義満時代の日本との交流、ヴェトナム出兵、『永楽大典』などの文化事業と、治世の全般に亘ってわかりやすく丁寧に解説されている。

系図や地図が的確な箇所に付されているのも実に親切。

中公文庫にはこういう良質な伝記作品が多く収録されていて非常に良い。

世界史愛好者の端くれとして、あらゆる文庫・新書シリーズのなかで私は中公が一番好きである。

ただ、聞くところによると1993年辺りまで中公文庫は基本的に品切れを出さず、刊行した本はすべて在庫を持ち続ける方針だったそうで、それを知ると今と比較してため息が出る。

時代の流れだから、そういうごく良心的な仕方を続けられなかったのもしょうがないでしょうね。

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