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武田龍夫 『物語北欧の歴史』 (中公新書)

マイナー分野で困ったときにはこのシリーズ。

デンマーク・ノルウェー・スウェーデン・フィンランド・アイスランド五ヶ国の歴史。

前近代史の部分は少々分量不足かもしれないが、『北欧史 (世界各国史)』(山川出版社)を通読するのも大変だし、初心者はこれでいいんじゃないんでしょうか。

高校世界史で出てくる北欧の君主というと、イギリス征服者のクヌート王、カルマル同盟の女王マルグレーテ、三十年戦争の英雄グスタフ・アドルフ、北方戦争の敗者カール12世(前2者はデンマーク、後の2人はスウェーデン王)と、これくらいですが、本書はさすがにもうちょっと詳しい。

しかし細かな人名は無理に憶えなくてもいいでしょう。

まず中学地理の範囲内で、当たり前過ぎますが、各国の位置関係は完全に頭に入れます。

この地域でデンマークが長年優位な地位を占めカルマル同盟の盟主となり、同盟崩壊後スウェーデンが分離独立し、ノルウェーをめぐってデンマークと激しい抗争が続いたこと、17世紀スウェーデンがバルト海沿岸の覇権を握り全盛時代を迎えたこと、ナポレオン時代の後、ノルウェーはスウェーデン領となり、逆にフィンランドはスウェーデンからロシアの支配下に移ったこと、20世紀に入りノルウェーが分離し、フィンランドもロシア革命後独立したこと、といったごく大まかな流れが頭に入れば良しとしましょう。

読みやすい文章でなかなか良いです。

初心者向けにわかりやすい通史を提供するというこのシリーズの趣旨に合っている。

類書が少ない中、貴重な入門書。

お勧めです。

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