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五十嵐修 『地上の夢キリスト教帝国 カール大帝の〈ヨーロッパ〉』 (講談社選書メチエ)

この講談社選書メチエにも世界史関係の本がかなり収められていますので、気になるタイトルは一つ一つ潰していくのが良いでしょう。

初期中世は関連書が少ない気がするので、これを読みました。

カール大帝についての入門書としては良書ではないでしょうか。

治世の全般にわたって満遍なく叙述されており、特に過不足は無い。

彼の生涯のクライマックスたる800年の戴冠について、ローマ帝国理念復興というよりキリスト教共同体の首長理念という面を重視し、それがカールの統治を貫く最も重要な原則であったとしている。

ランゴバルト、ザクセン、バイエルン、スペインの後ウマイヤ朝、アヴァールなどの外敵との戦いも、世俗的な領土防衛・拡張というより宗教戦争の面が重視される。

文化面では、アルクインを中心とする「カロリング・ルネサンス」も、数百年後のルネサンスとは逆に、カトリックの教義を社会により浸透させるために自由学芸が奨励された結果であった。

気軽に読めてわりと面白いです。

興味の持てる方はどうぞ。

なお、カテゴリは「ヨーロッパ」か「ドイツ」「フランス」双方に入れるべきで、そういうことは本書の中でも最後に強調されていますが(ドイツ・フランスの国民意識が生れたのがカール大帝以後なので、独仏でカールの「取り合い」をしても意味が無い)、何となく「フランス」だけに入れておきます。

確たる根拠も無く、ただの個人的思い込みですが、ご容赦ください。

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