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大杉一雄 『真珠湾への道』 (講談社)

同じ著者の『日中十五年戦争史』(中公新書)が非常に素晴らしいと思ったので、これも読む。

時代として前著と繋がっており、1938年1月「国民政府を相手にせず」との第一次近衛声明から1941年12月8日真珠湾奇襲攻撃まで。

この間の歴史を詳細に検討し、泥沼化した日中戦争を収拾することはできなかったのか、ドイツの表面的優勢に惑わされず破滅的な日米戦争を避けるために何か欠けていたのかを追求している。

版形はデカイし500ページを超える大著だが、手に取ってみると実に興味深く読みやすい記述で、集中して二日で読めた。

著者の意見をすべて鵜呑みにする必要は無いし、私も異議のある部分があるが、しかし考え方が違うという理由で捨てるにはやはり惜しい。

事実関係を楽々と頭の中に入れることができる。

この辺の歴史は年代だけでなく多くの場合月までも正確に把握しながら読み進める必要があるが、そのためのテキストとして非常に優れている。

前著と同じく、個々の史実への評価が明確で面白く、強く印象に残る。

これは分冊文庫化してもらいたいですね。

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