小林登志子 『シュメル 人類最古の文明』 (中公新書)
2005年刊。
オリエント史全般でなく、高校世界史で最初に出てくる歴史的民族シュメールのみに焦点を絞った本。
ただし、初期王朝時代とウル第三王朝に挟まれたアッカド王朝時代も詳しく扱われている。
本書では、シュメール人とアッカド人の間には深刻な民族的対立は無く、周辺の蛮族(東方のエラム人・北方のグティ人・西方のアモリ人など)と比較して、両者が文明の共有者としての意識を持っていたとされている。
まず序章でメソポタミア・オリエント史の概略をざっと復習してくれるのが親切。
その後、楔形文字・農業・印章・王碑文・立法・学校・文学・神々などのテーマごとに章立てされるが、その合間に通史的な説明もさりげなくなされるという、なかなか巧みな構成。
ちょっと事項の羅列で退屈かなあという部分もあるし、個人的にはアマゾンのレビューにあるような高い評価は持てなかったが、当時の社会の雰囲気を知ることが出来ればそれで十分なのかもしれない。
悪い本ではないと思います。
必読とまでは言いませんが、一度手にとってみるのも良いでしょう。
なお、タイトルが「シュメール」ではなく、「シュメル」になっている理由として、本書「はじめに」の終わりに「ええっ!?」と思うようなことが書いてあります。
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