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福田和也 『山下奉文 昭和の悲劇』 (文春文庫)

マレー・シンガポール攻略で有名な軍人の伝記。

その存在は知っていましたが、恥ずかしながら下の名前の読み方がずっとわかりませんでした(「ともゆき」と読みます)。

かなり短いので、生涯の全時期を詳細に語るというものではなく、焦点を絞った記述。

まあまあ面白いが、同じ著者の『地ひらく』(石原莞爾の伝記)や『乃木希典』に比べると、強い印象に乏しい。

前者の重厚な叙述は日中両国の現代史を知る上で有益だし、後者の人物造形には大いに感銘を受けるが、本書についてはあまりすっきりとした読後感が浮かばなかった。

皇道派人脈との関わりや戦前の軍歴についてもっと詳細に論じてくれればよかったと思った。

先の大戦のに関する著者の多面的見解は興味を持って読んだが、本書だけでしか読めないというものでもない。

福田氏の熱心な読者でなければ、強いて読む必要は無いかもしれません。

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