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『改訂版 現代の倫理』 (山川出版社)

世界史の隣接分野をもう一度勉強し直そうと考え、いっそのこと高校教科書から始めるかと思い立つが、山川出版社から『詳説 倫理』というのは無く、これしか出ていないようなので、本書を手に取る。

(HPにある『東学版倫理』というのは何ですかね?)

私は高校の社会科では(まだ地理・歴史科と公民科に分かれる前だった)、高1で現代社会と倫理、高2で世界史、高3で日本史と政治・経済を履修しましたが、皆様はどうだったでしょうか。

ページを手繰ると、ああ懐かしいなあと感慨に耽ってしまう。

教科書ですから、思想家についての説明は多くても2、3ページ、下手すりゃ数行なんですが、それでも結構面白く読める。

一つだけ例を挙げると、アダム・スミスの項で、スミスを単純な自由放任主義者とはせずに自由競争において「公平な観察者」の仮想による自己規制が必要だと考えていたことなどを記しているのは渋い(堂目卓生『アダム・スミス』(中公新書)参照)。

まずギリシア哲学、儒教、仏教、キリスト教、イスラム教を扱った後、すぐには近代西洋思想に行かずに日本の思想を述べている点が私が昔使っていた教科書と異なる。

近代西洋の部に入っても、年代順に思想家・哲学者を並べるのではなく、テーマごとに分類。

「人間の尊厳」という章ではマキァヴェリ・ルター・カルヴァン・モンテーニュ・パスカル・カント、「自然と科学技術」ではニュートン・ベーコン・デカルト、「民主社会と人間」ではホッブズ・ロック・ルソー・ヘーゲル・スミス・マルクス、「幸福と自己実現」ではベンサム・ミル・プラグマティズムと実存主義の思想家といった具合。

最後にフランクフルト学派とかフーコー、レヴィ・ストロース、レヴィナス、ハンナ・アーレントなどが載ってますが、私の場合こういう人たちの名前は高校卒業するまで聞いたこと無かったです。

こういう思想家の古典に一冊でも多く噛り付くのが一番いいのはわかってますが、自分の根気と知力を考えると限界があるので、教科書やら入門書を読んでもいいんじゃないですかね。

今度は同じ山川の『倫理用語集』でも見てみます。

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