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井上寿一 『吉田茂と昭和史』 (講談社現代新書)

今年の6月刊。

『昭和史の逆説』(新潮新書)と同じ著者。

上記本の読後感が大変良かったので、これも読む。

吉田茂の視点から見た日本現代史。

伝記とは言えず、第1章が1927年の奉天総領事時代からいきなり始まっている。

以後、最小限のポイントはきちんと突いた記述が進む。

外交面における<自立>と<協調>、経済面における<自由>と<統制>という二つを認識軸に吉田と他の政治家の立ち位置を評価する。

同時代人の日記などを引用して当時の世論の傾向を描写しているが、その中では山田風太郎の記している感想がなかなか面白かった。

内容はまあまあ。

高坂正堯氏の『宰相吉田茂』(中央公論社)よりは初心者にとって読みやすい。

入門書として読んでも無駄にはならないでしょう。

以下、終戦から55年体制成立までの内閣と保守政党に関する個人的メモ。

1945年 8月   東久邇宮稔彦王

      10月   幣原喜重郎

1946年 5月   吉田茂(自由党)第一次

1947年 5月   片山哲(社会党)

1948年 3月   芦田均(民主党)

      10月  吉田茂(民主自由党)第二次

1949年 2月   吉田茂(民主自由→自由党)第三次

1952年 10月  吉田茂(自由党)第四次

1953年 5月   吉田茂(同上)第五次

1954年 12月  鳩山一郎(民主党)

1955年 11月  自由民主党結成。

1951年9月のサンフランシスコ講和会議と日米安全保障条約調印がこの時期の最大の出来事で、その前後関係を常に意識。

同一人物が連続して在任している場合の「第何次」内閣というのは基本的に憶えないでいいと思うのですが、以上の吉田内閣については例外かとも思うので一応書き出しました。

戦前は、確かこの種のことは、1940年7月~41年7月の近衛文麿第二次内閣と続いて41年10月までの近衛第三次内閣しか無いはず(ちなみに次が東条内閣)。

(と思ったが、ひょっとして加藤高明内閣もそうか。与党が護憲三派から憲政会単独に変った時に第2次内閣と数えるのかな。)

自民党ができるまでの戦後保守政党の系譜もややこしい・・・・・・。

似たような名前が多すぎる。

旧政友会系が、45年11月日本自由党(鳩山・吉田)→48年3月民主自由党(吉田)→50年3月自由党(吉田)(→53年3月鳩山が離党、日本自由党結成。)

旧民政党系が、45年11月日本進歩党(町田忠治)→47年3月民主党(芦田均)→50年4月国民民主党→52年2月改進党(重光葵)→54年12月民主党(鳩山)。

55年11月に緒方竹虎の自由党と鳩山一郎の民主党が合同して自由民主党結成、初代総裁鳩山一郎。

 

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