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フレドリック・R・ディキンソン 『大正天皇  一躍五大洲を雄飛す』 (ミネルヴァ書房)

『昭和天皇 第二部』を終えて第三部を読む前に、大正の終焉まで行ったこともあって、少し気になっていた類書を片付けることにする。

「ミネルヴァ日本評伝選」というシリーズの中の一巻。

この手の日本史関係の伝記シリーズでは吉川弘文館の「人物叢書」が有名だが、これはそれに対抗して(?)2003年ごろから刊行され始めたもののようだ。

巻末の目録を見ると、既刊本は少ないものの、ものすごい数の歴史人物がラインナップに並んでいる。

著者はアメリカ人で、京都大学に留学し高坂正堯先生に学んでおり、本書を高坂氏に捧げている。

病弱で在位期間が短く存在感の薄い天皇という一般的イメージを退け、日本の近代化の深化と国際協調路線の象徴としての存在を再評価する内容。

あくまで、国内外における立憲君主としてのイメージを主に扱った本であり、個々の具体的史実について詳しく知ることができるわけではない。

また、近代化という価値をほぼ何の留保もなく肯定的に捉えているように思えるが、個人的にはそこにやや違和感を感じないでもない。

とは言え、読むに耐えないということもない。

200ページほどで、さほどの労力も要らずに読めるから、通読しておいても無駄にはならないでしょう。

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